保険の選択(3)
⑤貯蓄機能のある保険
養老保険、終身保険、個人年金保険などです。受取金額が決まっている【定額保険】と、運用によって変動する【変額保険】があります。
個人的には、貯蓄は別に保険で用意しなくて良いのではないかと思います。そもそも保険は万が一に備えるためのものです。
では何故、貯蓄の選択肢に保険が入っているのかですが、答えは簡単です。不景気で金利が低いからです。『銀行に預けていてもお金が殖えない。どうしよう…。』という空気になってくると『保険で積立しましょう。』とか『保険で殖やしましょう。』と注目が集まります。
しかし、所詮、銀行よりも殖える可能性があるだけです。保険だって運用して殖やしている訳なので、金利が低ければそんなに殖えません。
言い換えれば、保険だって好景気で金利が高い方が増える訳です。金利が高い時に注目されても良いはずなのに、そうでないのはリスクがあるからです。金利が高ければ、リスクがない銀行に預ける方が人気なのです。
低金利の今、『リスクがあっても、少しでも殖やしたいから保険を選択する。』ということですよね。具体的には【払った金額よりも受け取る金額の方が減る】ことがリスクとして挙げられます。
…少しでも殖やしたいのに、減るかもしれない…とは、まさに本末転倒ではないでしょうか。それが私が貯蓄を保険でしなくて良いと思う根拠です。
「でも、受け取る時の金額は悪くない数字を提示してもらった。」という意見もあります。その通りです。満期、もしくは目標時期まで保険を続けられれば悪くないでしょう。それは、【定額保険】でも、【変額保険】でもです。
【変額保険】は、運用成績によって受け取る金額が減る可能性があるというのが一つのリスクです。実際はそのリスクよりも、途中で保険料の支払いが難しくなって保険を解約する方が、もっとリスクが高い(受取金額が減ってしまう) です。
貯蓄目的の保険は、15年間以上の『定期預金』や『積立式定期預金』だと思って始めてください。つまり、その間は引き出せない(=引き出したら受取額が減ってしまう) と認識しなければ、殖えるどころか貯まってさえいないでしょう。
保険という商品の基本は保障です。保険会社は運用が得意です。貯蓄機能のある保険は、保障にその運用技術を乗せただけです。最初の10年は肝となる保障にお金が回り、その後で運用にお金が回ります。10年以内に解約すると、ビックリするくらいお金が受け取れないのはそのせいです。
以前にポイントだと書きましたが、保険は長期でこそ活かされる商品です。30年も続けられれば、受け取る時には『悪くない』金額になっていることでしょう。
「最初から運用に回してくれれば良いのに…」と思うのであれば、投資信託をされてみてはいかがでしょうか。
という訳で、貯蓄目的の保険は長期間引き出せなくても大丈夫な人にだけおススメします。もしくは月々保険料5,000円など、生活に支障がない範囲でされるのも良いと思います。
お子さんの学資保険として有効なのは、目的がはっきりしているので、途中で解約しようとは思わないからでしょうね。続けるには目的・目標があると良いのかもしれません。
ちなみに、私は老後の生活の為に、変額の養老保険に加入しています。この保険だけに頼らず、現金貯金も怠らないように頑張ります。
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名古屋・愛知・岐阜・三重 / 独立系・女性ファイナンシャルプランナー